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  • 執筆者の写真: 耳ず
    耳ず
  • 11月19日
  • 読了時間: 6分

更新日:11月20日

シャアの全人生&アクシズ落としとサイコフレームの真意




この方の動画を少し前から見ていたのですが、本日待望のシャアの考察動画が上がりました。

(前作はこちら→

シャアは電車で支持率を上げた。場面と歌に隠された意味


これは………素晴らしいです……!!


私も数年前からシャアは何がしたいのか、あーだこーだ考えていましたが、こんなにまとまっていて、偏りがなく考察されているものはありません。

素晴らしいです。


私はやはりアムロ・レイが好きですから、「この人はどうしてアムロに突っかかってくるんだろう?」という視点が始まりでした。

故にどうしてもアムロ・レイがシャアの気持ちを考える上でも中心に来て、なかなか偏りがありました。

それがない上記の動画は、私が知る中で最もシャアの心境を適切に考察したものと思われます。


目から鱗だったのは、「シャアの目的は逆襲のシャアまで一貫して変わっていない」という点でした。

手段が変わるだけで、「人類を宇宙にあげてNT化させる」というのはずっと目指しているところなのですね。そして、なぜそれを目指そうと思ったかというと、「父の提唱していたニュータイプが、幻のような存在が、確かにいて、出会うことができたから」という…ところは、とてもドキドキしました。

そりゃ、ニュータイプの作る未来を見てみたい…と思う…よね…。


しかし、この動画でも、復讐からそう考えを変えたのは「ガルマの死」がきっかけと触れている以上、純粋に生まれた好奇心ではないなと感じます。


私は以前、記事でシャアの行動原理は贖罪だと書いていました。


『復讐のために彼を殺しましたが心中は晴れず、むしろ彼の死を利用して国民を奮い立たせるギレンに不快感を覚えていました。この感情は「復讐のため」という目的と反し、それだけでは納得しきれるものではありません。そのためにシャアは、目的を私的な復讐ではなく、人類のNT化という公的な目的にすり替えたのです。――シャアはガルマを殺したことに罪悪感と喪失を感じていたのです。彼のためにも、人類は変わらなければならない。そのためにはNTが必要なのだ。――そうした矢先に出会ったのがララァでした。』


『まず、シャアはZやCCAでもそうでしたが政治の世界に上げられがちです。彼の達成したいこともそれらに関わらなければ変えられない部分にあります。だから望んでそこにいるのかと思いきや実は政治ごとを嫌っている、苦手に思っている節があります。Zで政治の壇上に上がったとき、演説後シャアはアムロに「自由を失った」とこぼしました。シャアは政治に関わる器量があるし様になるので周りの人間に望まれ壇上に上げられることがしばしばあるのですが実情彼にその度量はないのです。なぜなら、シャアが掲げる目標はそれ自体が目的、メインではないからです。彼に政治をやる才能はあると思いますが、その本来望んでいることが満たされなければ度量はいつまでも足りないままなのです。

ではその望んでいること、目的は何かというと最初に言った贖罪なのです。自分の犯した罪が償われるにはどうしたらいい?救われるにはどうしたらいい?これが彼を苦しませているものではないでしょうか。「全人類NT化」それが彼が自分自身で模索して生み出した道なのです。そのため、彼はNT化達成のために奔走しますが本来自分が求めているものと食い違うためどんどん追い詰められていきます。

 復讐のためにガルマを殺し、ガルマを殺した贖罪にララァを連れて個人的問題をNTという公的問題にすり替え、ララァの死、カミーユの精神崩壊…それらがシャアに全人類NT化を断行させるに至らせたのです。行動も規模を増して過激になっていき地球を潰した時、いったい一番苦しむのは誰なのか?それは目に見えて明らかです。シャアは大切なものを失うたびに大義名分を掲げて、気持ちを誤魔化しますがその義務感は一体どこからくるのか?それは自分自身が救われたいからに違いないのです。彼のNTによる革新は、シャア自身がNTに救われたいことを表しています。』


ニュータイプへの興味は、こうした贖罪の意思から来ているとは、今も思うんです。

シャアは最期のシーンで、アムロにこんなことを言っているからです。


「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって、地球を押しつぶすのだ。ならば人類は、自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して、贖罪しなければならん…」


贖罪しなくてはいけないのは、地球に住むノミ共だけではありません。「人類」です。

なので、シャアは普段からそんなことを考え、感じているのではないかなと思いました。

とはいえ、今はシャアの行動原理が「贖罪」とは考えていません。


シャアの気持ちを考える人が皆、シャアは悲しくて苦しくて背負っている…ということを感じると思うのですが、それを思うと、救ってほしいという気持ちが出てきませんか?

こんなに苦しくて悲しい気持ちを救うにはどうしたらいいんだ?


それがシャアが突き動かされる理由な気がします。


いつもシャアは失ったものばかり宝物にしています。

今そこにいる人を大切にしません。上記の動画で、ガンダムには仕事人間で家族を大切にしない人がよく出てくると言っていましたが(私もそう思います)、シャアもその1人です。


ガンダムを見ていると、大きな規模の大切なことと、小さな規模の大切なことを両立させるのは難しいということがよく伝わってきます。


私は、小さな規模…そばにいる人を大切にする、自分を想ってくれる人のために、自分のことも大切にする…そんなことで精一杯です。


シャアはその小さな規模を大切にするということがとても苦手なんでしょうね。

セイラさんとの仲も…良くないですし…。

シャアは想ってるかもしれませんが…。


シャアは本当に味わい深い人間ですね…。


正直、シャアにとってのアムロが、いかに重要なポジションか分かりましたが、アムロからしたら知ったこっちゃないし、巻き込まれも良いところだなと思いました。

難癖に近いと思います。

アムロはもっと庶民的な感性ですから、だから、そこが自分は好きなのかもなと思いました。

とはいえ、アムロが何を考えているのか…正直シャア以上に私は分からないなと思います。

なんで連邦に居続けるのか…軍人でいるのか?シャアにどうして構ってあげるのか?ニュータイプとして重荷を感じないのか?行動原理は?シャアと対比して分かりにくいな…と思っています。

誰かまた考えてくれたら…。

私も良い疑問の投げ方ができないのですが。

ふわっとそんなモヤモヤを抱えています。

とはいえ、アムロはシャアと逆でかなり小さな範囲で生きていると思っています。


だから2人はすれ違うんでしょうね。

うーん…面白い。ガンダムって良いな…。


はい、良い動画に出会ったという話でした。

シャア、愛しいですね…。



(補足)

今思ったんですが、そう思うと逆襲のシャア冒頭の「エゴだよ、それは!」はとても的を得た発言ですね…。

エゴ、大好きな言葉です。

 
 
 

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