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  • 執筆者の写真: 耳ず
    耳ず
  • 3月11日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月12日

今日で東日本大震災が起きて14年です。


忘れてはいけない、同じ悲しみを繰り返してはいけない…

この時の教訓を活かして、いざという時に備えましょう


というのは毎年思うことです。

それで、住んでいる地域の避難マップを確認したり、防災道具を調達もしくは確認したりしていました。


ですが、私は去年とある動画を見て、当事者意識が足りていないことに気付いたのです。

その動画では、津波に被災した100人を、警報が出てからどのように行動したのか細分化していました。


ーーなぜ警報が出ているにも関わらず、逃げないのか?

ーーなぜ真っ直ぐ避難所に向かわないのか?

ーーなぜ家に何度も戻ったりするのか?


こうして安全な場所から見ていると、なぜそんなことをするのか不思議で仕方ありませんが、この動画を見ると「ああそうなっても仕方ないな…」と思うのです。

自分がその立場になったとき、同じことをしないと言えるだろうか…?と思うと、とてもしないとは言い切れませんでした。


これが、その動画です。

※津波の映像や再現シーンがあります。ご注意ください。


「なぜ多くの人が逃げ遅れてしまったのか」東日本大震災から13年…住民100人の避難行動を映像化 浮かび上がった"危険な避難行動"生死を分けた津波避難の教訓


この動画を見た時、被災した方々の絶望感、無力感…がありありと感じられ、怖い、と思いました。

まずは、ただ単純に怖いと思ったのです。



この間まで話してた人、ついさっきまで話してた人と会えなくなる感覚というのは、体験しないと実際には分からないと思います。

だから、単純に怖いという言葉に押し込めるにはあまりにも辛いものです…。

そのことを思うと…、日頃から大切な人と非常時の動きについて話し合っておき、そうするに違いないと信頼を得ておくことがいかに大事だろうと思いました。


とはいえ、一人で盛り上がっていても、相手が気にしてくれない可能性があります。

タイミングというものがありますから。

それで、突然そんな話をしても聞いてくれないかと思うので、話し合うことは置いといても、そういった動画や映画を共有して、意識する機会を設けるぐらいはした方が良いかな…と思いました。


私は以前、遠い親戚のお婆ちゃんと二人で暮らしていました。

とある日、大雨警報が出て、住んでいる場所が避難区域となりました。私はおばあちゃんに避難場所に行こうと言いましたが、おばあちゃんは動いてくれませんでした。それで私も避難準備だけはして家に残りました。

幸いなことにその時なんともなかったのですが、もし何かあったらと思うと恐ろしいことです…。

あの時、もしこれで、おばあちゃんに何かあったら私のせいだと酷く狼狽えたのを覚えています。


東日本大震災の時、そういった人がどれだけいたのでしょう…本当に怖かったと思います。

楽観的に考えていた人も、濁流が来て飲み込まれた時は、怖かったと思います。そんなことを感じる時間があったか…分かりませんが…。


ポプラ社から出ている「おもかげ復元師の震災日記」という本があります。著者は笹原留似子さんです。


この本は、亡くなられた方の遺体を復元し、その後遺体が家族のもとに帰った時の記録を描いています。

イラストから伝わる故人の表情と、家族の言葉に涙せずにはいられません。

こんな悲しいことは勘弁です…。



私は、去年の能登半島地震の時、富山の実家にいました。大きい地震が2、3度来て、慌てて大きな机に隠れました。

揺れが少し収まるたびに、このまま机に隠れているべきなのか、外に逃げ出すべきなのか考えましたが、どうすべきなのか結局わからず、ずっと机の下にいました。

そして、ずっと自分の家にいました。


どうしたら良いか分からないと、慣れた場所に居続けようとしてしまうんですかね。

冒頭で「同じことをしないと言えるか?いや言えない」と言っていますが、こうして振り返ってみると、動画に出てきた危ない避難行動をしている人と自分はなんら変わりません。

同じです。


いざという時、どうするのが正解なのか…とっさに判断するのは難しいです。

後から振り返ってその行動が良かったのか悪かったのか…能登の震災に関しては、後で外に出るべきだったなと思いました。

家屋が潰れて外に出られなくなった人もいたので…。私の家もミシミシ揺れて、砂壁が少しずつ崩れて怖かったです。古い家ですし…。

助かったのは幸運でした。


だから、上記の動画でハイリスクの行動が分かっているなら、それを避けるように知識を蓄えて、備えておくのが大事だと思いました。

十分活かせるかは分かりませんが、知っていることが大事だと思います。


いざという時が来たら、きっとああしておけばよかった、こうしておけばよかったと、不足ばかり目に着くかと思いますが…どれだけ不足していようと、平時に備えたことは無駄にならないと思うので…。


みなさんも、心身ともに健やかにお過ごしください…。

少しでも失う命が減るように、先人に哀悼と感謝の意を込めて黙祷します。



 
 
 

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