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  • 執筆者の写真: 耳ず
    耳ず
  • 2022年3月26日
  • 読了時間: 9分

長くなる予定の米英の第一部が終わりましたので、解説みたいな感想みたいなものを書いていきます。


1Pめから振り返っていきます。

1Pでイギリスさんは眠ろうとしますが、瞼の裏にあの日の光景が浮かんで怖くて眠れません。2Pめの迫真のドアはイギリスさんの恐怖と緊迫感を表しています。そして、一緒に映る壁紙は、ウィリアム・モリスデザインの柳の枝を参考に描いてます。

柳の花言葉は「愛の悲しみ、見捨てられた愛、憂い、悲哀etc…」です。さらに「自由」という意味もあります。

わあすっごくこの時期のイギリスさんに似合いますね!笑

そして事の原因のアメリカ君が3Pめで盛大に登場します。

ベットに一人のイギリスさんと対比させるため、3Pめには沢山のアメリカ国民を描きました。どんちゃんどんちゃん!

賑やかですね。描くのが大変でした…笑

4,5Pでアメリカ君がフランスさんから貰ったサワーチェリーパイを警戒しているのは、最後らへんに出てきましたが、ジョージワシントンの逸話を思い出したからです。

幼き日のジョージが桜の木を切ってしまった時、素直に父に謝ったら逆に褒められたという話。皆、悪いことをしたと思ったら素直に謝ろうね!という教訓です。

大統領の日はこの逸話に沿ってチェリーパイ、中でもサワーチェリーパイを食べるのが習わしだそうです。

アメリカ君はここら辺のことと関連付けて、フランスが自分に何もするなと言っておいて、イギリスと自分の間に何かセッティングしてるんじゃないかと疑りつけたというシーンですね。

何かのメッセージ性を感じたということです。

ま、考えすぎでフランスさんはサワーチェリーが旬/アメリカならパイという理由で用意しただけです。

6Pめ、アメリカ君は前と変わらず待つだけと言ってますが何もしないとは言ってません。「君の言うことを聞いたんじゃないぞ!」と言い返していますが、本当にそうです。

待つだけではある。ただし何もしないとは言ってない!アメリカ君が何もせずイギリスさんが変わるのを待つだけなわけありません(偏見)

どう動くかは今後の展開をお楽しみください。…といっても長期戦なので、そんな、転!!!って感じの展開はありません…ゆっくりゆっくり動いていきます。


7Pめ!!!!モブの登場です!!!!!!

第一部を最後まで描き切ってどこを描くのが楽しかったか聞かれたら、二つ答えます。内一つはモブを登場させているときです!!!!断言します楽しかった!!!

このモブはイギリス国民の代表として登場させました。複数のアメリカ国民に囲まれるアメリカ君と、一人のイギリス国民に寄り添(?)われるイギリスさん。

このモブは無茶苦茶言ってますが本当にイギリスさんを大切に思ってます。「イギリスさんが苦しいのが一番いやだ」と言っているのに、不快を隠そう/弱音を殺そうとするのがこの人なので11Pめでは若干怒りをこめつつそれを窘め、「心配なのは好きだから/大切な人だから」と伝えています。何故「イギリスさんが苦しいのが一番いやか」の理由ですね。

12Pめでイギリスさんはその好意を受け、すっかりリラックスしています。13Pめ、ようやく恐怖を払って眠ることができたのでした。

(しかしこの眉毛、自分を大切に思ってくれる気持ちは理解しても、それを伝えてきた理由は把握してません笑)


そして14Pめから回想に入ります。

15,16Pめ、20P上段で描写していますが、「自分が居て良い場所」を手に入れるために幼少期から奮戦しています。

「自分が居て良い」とは「ありのままの自分を受け入れてくれる場所」です。それを手にいれるために、他人の「場所」「アイデンティティ」を侵し己を誇示してきました。

自分もされたし、多少はね?(国家として…というか生きとし生けるもの避けようがない…と思うのですが…)

そんなわけでイギリスさんは今まで守りたいものは自分しかなく、基本的に年上の、生まれた時既にいた奴らとどう渡り合っていくかという人生でした。

必死で成長し、立場を獲得したイギリスさんはようやっと新大陸に子分を持つ可能性に目をやることができました。

そういう余裕が生まれたということ…14Pめ5コマ目のイギリスさんはだから大興奮なのです笑

さていかに俺の力を見せつけてやろうか…ニヤニヤ…と思っていたら、子メリはイギリスさんのカッコ悪い姿を見ても、力を見せつけなくても

「お兄ちゃんって呼んだらいい?」と寄ってきたのです。


個人的に原作の「俺が…お兄ちゃん…?!」と感極まるイギリスさんが謎でした。お兄ちゃんからの不遇な扱いを思い出し…プルプル…

なんでこの人涙ぐんでるんだろう………

考えてみたのですが、これは子どもに「ママ」と呼ばれたお母さんの心境と同じなのではないでしょうか?

今まで生きてきて自分が親になるという心境+子どもに親と認められることで生まれる人生への肯定感

これではないか…?と思い、17Pめが生まれました。「初めて理解ってもらえた気がした」という所ですね。

イギリスさんはアメリカ君から自分を守らなくていいし、居て良いと言わせる必要もない。

そのための努力をしなくていい。生き残るためにしてきた(努力して身につけた)強奪や暴力を振るわなくていいんです。

アメリカ君は明らかに今までの国とイギリスさんの中での立ち位置が違うんです。

18Pめのイギリスさんの吹き出し内のセリフはアニメ版からとってきているのですが、このセリフからイギリスさんが今まで受けてきた仕打ち、困難が読み取れます。

二度目にアメリカ君に会った時に「逃げないのか?……お前、すごいんだな」と声をかけたことからも、幼い自分を思い出しているように感じます。

おそらくイギリスさんはそれまで受けてきた仕打ちを他国にし返して生き残ってきました。だけど、アメリカ君にはそれらから守りたい。そのために頑張りたいと言っているのです。

アメリカ君は、イギリスさんが初めて自分以外で守りたいと思った同類だったのではないでしょうか。

彼は…特別なんです………。

イギリスさんは、アメリカ君に対し「お前といるとすげー和むよ」と言っているんです…。和むって、安心感ですよね。

彼にとってアメリカ君の傍は安息地だったんです。

そのことを19、20、21、22Pで描写しています。アメリカ君に対してする努力は、一緒に生きるための努力だったんです。

たぶん、彼はそういう努力をこの時初めてしました。

イギリスさんが、アメリカ君に「これっておいしいものなのかい?」と聞かれたとき、「お、おいしいにきまってるだろ!」と答えたのが虚栄とは言い切れません。

もしかしたら、料理したのは初めてで、自国のご飯がおいしくないのは知っているが、己の腕前は分からない…なんてものかもしれません。

自分でも知らない。おいしいと良いな…という思いで前述のように答え、アメリカ君が「これがおいしいなんだ!」」ともりもり食べるから安心した。

ああ、俺の料理っておいしいんだ…。不味かったら、不味いっていう筈だ。だからいつもアメリカ君の食べる姿を見て、美味いか聞いて、良かった…!なんて確認を取る…。

腹ペコのイタリアちゃんに料理をふるって、不味いと言われ素直に受け止めたように、プロイセンさんに振舞って、倒れてしまい青ざめて心配したように…イギリスさんは不味いものを強要しないようです。

マーマイトをあげて、アメリカ君が不味いといった時「お前の味覚がおこちゃまなんだよ!」と言っていましたが、それは健康に良い確信があったからです。文句は言っても無理矢理食べさせてもいません。

自明の理ですが、イギリスさんの手料理は好意の表われなんです。彼の自己充足のためでなく、(一応)他人を思っての行為なんです。

それを最初にした相手が幼き日のアメリカ君。そのきっかけを与えたのが幼少期のアメリカ君である、可能性があるんです。

二度目になりますが…イギリスさんにとってアメリカ君は特別だったんです…

アメリカ君にとってもそうであるように…


そして起きてしまいました。独立です…。

23,24,25Pめで描いていますね。アメリカ君にはアメリカ君の事情がありますが、イギリスさん視点から見てどれだけショックなことだったんだろうと胸が苦しくなります…。

そんな彼の痛みに思いをはせて26Pめを描きました。私の趣味もあってかなり力を入れて描きました笑

描くのが楽しかったところ二つのうちもう一つはここです笑

きっとどれだけアメリカ君の自由になりたい主張が理解できるものであったとしても、心は納得できなかったと思います。

27,28Pめはそうした葛藤と、折り合いがつかなくてもなんとか前へ進もうとするイギリスさんを描いています。ここでイギリスさんは分からないことは真っ黒に潰して隠そうとします。

7/4が終わるので、また表に出るのは以降の7/4です。そこを描くとき米英の関係ががどれだけ変わっているか楽しみにしていてください。


そして28Pめ下段でアメリカ君視点に戻りますが、チェリーパイにもやもやの意味は最初に説明した通りです。

イギリスと今後どうしよう…。彼の症状を知り、今まで気さくに接してきた彼の笑顔の裏側に心悩ませます。

俺は近づきたいだけ。だけどへたに突っつくと彼が余計に遠ざかる。もう彼を一方的に悪役に思えるほど子どもじゃない。

傷つけたなら癒したい。だけどそれをすると彼がより傷ついてしまう。ヤマアラシのジレンマに、幼いころの自分が言ったのだという「共食いなんだぞ」という言葉を思い出す。

深く刺さる。

スペインから聞いたときは、なんて幼稚な意見なんだと思った。悪いやつでも殴ってはいけない?悪いやつと自分は同じじゃない!

だけどどうだ。イギリスを悪いやつにして殴った拳が、今になって痛い…同じ手で慰めたいなんて願いを持ってる。

その手で触れれば傷つけるのに。そうだね、共食いかもしれない。

それでアメリカ君は31Pめ項垂れているのでです。ああどうしよう。



さて!!!アメリカ君は今後どう動くのでしょうか?!イギリスさんはどこへ向かうのでしょうか?!

第二部こうご期待!!!!




……………………嘘です…続きは描きますがあまり期待しないでください…豆腐メンタルなので死にそうです…

あくまで自分の妄想なので……作者は自分より賢いキャラを作れません…

そして自分はアホです……ご了承ください…


ああ…第二部を始めるときはTwitterにて予告します…。良かったらまた見てくださいね…。

ここまで読んでいただきありがとうございました…!!



(追記)

16Pでお兄さんにあっちに行けとイギリスさんが弓矢で追い出されてるのはローマ帝国と繋がったからという理由が一応…あります。ローマじいちゃんはイギリスさんを属州にした後お兄さんの土地を狙っていたので…その橋渡しをした弟を追い返してるという感じです。小さいイギリスさんはそれがわかってません。

ちなみに、それまでも存在は確認してたし、俺が偉いんだぞと分からせにお兄さんが来ることはあったがあまり深く関わっていなかったという設定です…。

 
 
 

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