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  • 執筆者の写真: 耳ず
    耳ず
  • 2022年8月24日
  • 読了時間: 6分

続きものの、べいえいが一区切りしました。



話的には全然…起承転結の承の部分に入ったかな…という感じです。前回、年内に終わらせたいと言いましたが、まったく終わる気配がしません…笑


今回の話の、解説と言いますか…裏話をしていきたいと思います。


冒頭のシーン。

前の話で、アメリカくんはイギリスさんの深層にある拒絶を知りました。

強かで物おじしない、自分の独立だって気に入らないだけの意地っ張り。

そう思っていたイギソスさんが、実は自分の件で血を吐くほど苦しんでいると知り責任を感じます。ここでざまあみろとは思わないんですね。

アメリカくんは、自分がしたことなら、自分で回収したいと思いました。元凶の自分が7/4の彼に近づくわけにはいかないけど、ならそれ以外の日は彼に近づきたい。

ーー彼が自分に対し繕うからには、それを暴くわけにはいかない。そして無理やり吐かせるのも間違ってる。

アメリカくんはイギリスさんから心を開いてもらえるように、外堀を埋めることにしました。まずは、居ることが当たり前になるように、できるだけ会うようにします。

何もしないではいられないから。

諦められないから。


それがどうしてか、どういうことかアメリカくんには何の自覚もありません。

自分がつけたイギリスの心の傷を、自分以外が慰めるのが納得いかない。癒すのは自分じゃなきゃ嫌。泣いてるイギリスを掬うのは自分じゃなきゃダメ。

無意識にそういう意識が働いています。


一方イギリスさんは、自分の上司に苦しめられていました笑

前回血反吐吐いて倒れたのを咎められ病院に行くことになり…めちゃくちゃ不本意なイギリスさん。皆の心配が、どんどん頼りないイギリス像を彼の内面に作っていき、落ち目を感じさせていました。そして、そこに追い打ちをかけるように、体調不良が流布し、アメリカくんが声をかけてきて、胃がキリキリに…。


11p、イギリスさんはアメリカくんが遊びに来るのを、どうにか回避しようとします。ポルトガルと会うからスケジュールが合わない。産業革命の最中/南北戦争から9年余りしか経過していない等…国内が落ち着かない中渡英する軽率さを咎めますが、勢いに押され叶わず…家に迎えることになります。あまりに露骨な態度を出しては、逃げようとしていることがバレてしまう。

実は、11p8コマ目のアメリカ君は「ポルトガルと会う予定が本当にあるのか?」と思っています。本当に都合が悪いのか、自分を避けるための嘘か…それは彼には分りませんが、そうした疑念の中、アメリカ君はイギリスさんと接しているのです。

12p、他国に興味を持てと叱られ、「言われなくても持ってるさ」と答えるアメリカ君は、ポルトガルの名前を頭に刻み付けています。イギリスさんの情報を集めるために彼の交友関係もチェックしておかないとと…と考えているのです。こわい笑

イギリスさんの心境に戻りますが、流石にいつまでも予定があるとは言えないので、空きがあると伝えてしまいます。アメリカ君にスケジュールに書くようせがまれ、退路を塞がれてしまい、最後まで引き下がりますがアメリカ君は絶対に退きませんでした。

しかもただの観光ではなく、イギリスの家に来ると言うのです。

イギリスさんは自分のテリトリーにアメリカ君がやってくることに不安を覚えます。しかしそれと同時に、喜びも感じてしまう。

ほんの少し、相反する気持ちが胸に宿るのです。

アメリカ君と出会ってから、初めて、アメリカ君がイギリスさんの家に来るのです。お仕事でイギリスに来ることはありました。でも私邸は初めてです。

幼いアメリカに会いに行くばっかりだったイギリスさん。そのアメリカが自分の家に来るということに感慨を感じずにはいられない。例えそれが不本意でも…。

不安、警戒、喜び…それらが入り混じった表情が、17p3コマ目と18p1コマ目です。


19pから、イギリスさんの診察のシーンになります。

イギリスさんは自分の体に何の問題もないことを知っていました。だって国なのだから!

ケガも風邪も1日あれば治ってしまう。長引く不調は景気の悪い時だけ。今に何の問題もあるはずがない。

実際体の問題は何もなさそうでした。しかし医者は精神面の問題を取り上げ、7月4日が近づくと…という奇怪さをつつきました。イギリスさんは、例えそこをつかれても捉えられるわけがないと高を括り、高圧的に「何の問題もないと書いてくれ」と話しました。

しかし逆に、その冒頭から結果を急ぐ態度に疑念を持たれ、問題がないことに拘るその心理から心情を掘り下げられてしまいました。

診察での態度や言葉、報告にある症状から医者は神経症にあたりをつけ診断を下しました。

イギリスさんにとって、罪状を述べられたような衝撃でした。はっきり病だと言われるのは、国と関係ない、己自身、"自分"に問題があるということ。

30p6コマ目、イギリスさんは「アメリカが原因なのは、薄々…」と言いますが、実は彼が原因なのは身に染みて分かっています。『べいえい2』で部下に対してそのように言ってますよね。だけどここでは、医者…といえど国民にバレたくなくて、「そ、そうなのかもな…?」みたいな感じで、程度を盛っています。悪あがきです笑

イギリスさんは「疑いあり」の言葉にすがり、34pでーー自分をコントロールすればいいんだ、うまく動かせる、絶対なおせるーーと「大丈夫」の暗示をかけています。これは裏を返せば、それをしなくてはいけないというイギリスさんの差し迫った義務感を表しています。イギリスさんは全く自分を受け入れられていません。

『べいえい2』で、イギリスさんが「真っ黒に塗りつぶしてしまえ」といっていたように、しっかりしっかり塗りつぶさないとと思っているのです。

そして、病院での診察を終えた先に、アメリカ君が私邸に来るというイベントが待ち受けているのでした…。


次回!アメリカがイギリスに立つ!

アメリカは何をする気なのか?イギリスはどう迎えうつのか?

二人の関係の行方は如何にーーー?!


次回更新予定日は未定です。再開時はまたツイッターで連絡します。

そしてすみません…煽り文句を入れましたが次回で関係性が変わることはありません…笑

また楽しんでいただけると幸いです…。


実は地味に時代設定があって、今回の話の段階では1874年です。イギリスさんの手帳から見ることができます。

ガバガバ時代設定なので、おかしなところもあると思いますが、一応下調べはしているのです…活かせるかは別として…。今回は時代背景で調べることが多くて苦しみました笑

医療の進み具合や、手帳の有無、旅客船の運航や服装の問題など…

あらためて、べいえいの長生き具合を痛感します…時代劇大変…(こちとらなんちゃって時代劇ですが)

話も長いですし、途中米英が分からなくなったこともあって、プロットだけ投げて終わりにしようか思ったこともありました。しかし、それはあんまり酷だな…と思いましたし、自分自身後悔するだろうなと思って思いとどまりました。不安になることは何度もありますが、読んでくださる方がまだいるなら頑張ろうかなと思います。自己満足で始めた話ですが、やはり見てくれる方がいると頑張れます。読んでくださってありがとうございます…!

完結目指して頑張ります。次の更新は未定ですが…笑

こんなところで終わりにします。お疲れさまでした。

 
 
 

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